確認と改善のポイント(マンション編)
自立度が落ちても「したい事が、したい時に、自分でできる」ように「家が助けてくれる」ことが大切です。出来ないことを出来るようにしてくれる、そしてご本人だけでなく、介護する人にも優しい住まいでしょうか。これまでの他のチェック項目ができていれば、自立度が落ちても「楽に住む」ことができるでしょう。後は介護が重くなった時への配慮です。
△介護の部屋の想定が出来ますか(住み続けられる)
△介護居室はトイレと近いですか(住み続けられる)
△介護居室の気配は家族に分かりますか(住み続けられる)
△入浴時、座って着替え介助が受けられますか(住み続けられる)
△介護ヘルパーが家の中で動きやすそうですか(住み続けられる)
課題は
要介護になり、ベッドで過ごす時間が多くなってくると、その居室にはテレビ、クローゼット、加湿器や空気清浄器など、さまざまなものが置かれるようになります。そして、介護や看護の人が出入りします。ある程度の広さ、そして収納スペースが無いと「足の踏み場もない」ことになりかねません。
改善は
和室や南面の個室があればそれが介護用の居室の第一の候補です。
そこに介護用ベッドを置くとどうなるか想像してみます。一人である程度歩行出来る時、一人では歩行が難しくなった時や出来なくなった時、その時々の部屋の中の動きや使い勝手を考えます。
電気のコンセントは最低2カ所は用意しましょう。
窓から外が見えたり、風通しが良いことも望まれます。
その様な部屋が無い場合は、食事や居間の一部を介護スペースに転用できないか考えてみましょう。
エレベータの家庭用はサイズが小さいこともあり、あまりお勧めできません。
課題は
排泄は出来る限り自分で済ませたいことです。その為にはとにかくベッドから降りて、トイレまで行けることです。一番助けになるのは「近いこと」。そしてその間につまづいたり、踏み外すような危険な箇所が無いことです。 また介助が必要になっても、近ければ介助の力も小さくて済みます。
改善は
介護居室候補が複数ある場合は、トイレからの近さを優先しましょう。
トイレまで大きく迂回しなければならない場合は、新しく通路が出来ないか考えます。
課題は
介護される人、介護する家族がお互いの生活の様子を感じ取られれば、安心や安全、そして信頼に繋がります。気配の程度、その「ほど良い関係」はその家族の関係によっても違いますが、要介護の人が孤立しない、他の家族が介護疲れしないことが望まれます。
改善は
家族の日常生活の場と介護居室の位置により、静かな環境が好きな人、賑やかな環境が好きな人、それぞれに応じて考えましょう。
近い場合はカーテンなどで光や音をコントロールする工夫も考えられます。
遠い場合には声掛けなどの働きかけや、音や画像を共有することも考えられます。どちらも介護される人、する人の気持ちを大切にしたいものです。
課題は
出来るだけ見られたくない、しかし時間がかかり、思うように出来ないのが衣類の着脱です。スペースが無いと寝室で行うことになりかねません。
改善は
一般的な間取りでは洗面所に隣接して浴室があり、洗面所で着替えをします。洗面所に家具や棚などを置いている場合には、その整理を考えましょう。
スペースを広げることが難しい場合には、洗面所と接している廊下などを一体にして、一部をカーテンなどで仕切ることも考えられます。
課題は
在宅介護になると、本人だけでなく、介護する家族や介護の専門職の方が介護しやすい、疲れない住まいが必要です。夜間に介護の方が訪問することも考えられます。
介護の人と家族の動線・空間を分けることが出来そうでしょうか。
また、様々な訪問者への対応が負担にならないよう、インターホン、玄関ドアの施錠なども検討しておきましょう。
改善は
介護などの訪問者と家族の動線・空間が分けにくい場合は、お互いに出来るだけスムーズに動けるよう、家具の配置などを見直します。
インターホンは防犯も考慮し機器や設置場所を見直しましょう。子機が複数設置出来たり、スマホで対応できる製品もあります。
玄関ドアの施錠も負担が大きい場合はリモートで操作出来る 物を取り付けます。
このサイトは2021年5月に公開しました。
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