確認と改善のポイント(マンション編)

4)段差やドアの開け閉めに不安なことがありませんか?

大きな段差は気をつけますが、小さな段差はつま先が上がりにくくなり、バランス能力が低下し、つまづき転びやすくなります。ドアの開き閉めの時には、体重の移動があったり、扉をよけたりすることで、転倒のリスクが高まります。

〇電気コードなどが床をはっていませんか(共通) 

〇玄関に手摺はありますか(共通)

△敷居や敷物など小さな段差がありませんか(住み続けられる)

扉の開け閉めで体が不安定になりませんか(住み続けられる)


〇電気コードなどが床をはっていませんか(共通)

課題は

電気のコードにも気をつけなければいけません。

日常の生活動線上には電気コードは無いことを確かめてください。いわゆるタコ足配線も避けたいものです。

要介護になると、その寝室には電動ベッド、場合によっては医療器具が置かれます。そういう事も想定しておきましょう。 

改善は

コンセントを増やします。出来れば三隅に設けます。

配線用の巾木やモールを使う事で簡単な工事で済むこともあります。

付け外しが多い掃除機等用に、廊下に腰髙(1m位)にコンセントを追加すると楽になります。 

巾木モール 未来工業(株)
巾木モール 未来工業(株)

〇玄関に手摺がありますか(共通)

課題は

玄関、階段の手摺は「まだそんなものは要らない。そんな年寄りではない」と言いがちですが、あればとても楽で、若い人も使います。

改善は

玄関手摺は上下の動きに対応できるように、L型や縦型と横型の組み合わせが適しています。ベンチの設置も靴の脱ぎ履きを楽に安全にします。


△敷居や敷物など小さな段差がありませんか(住み続けられる)

課題は

高齢になると歩く時につま先が上がりにくくなってきます。

そのため、階段など大きな段差は意識するのですが、1センチ足らずのの小さな段差や敷居、カーペットの端でつまづき、転ぶリスクが高くなります。

高齢になると転びやすいのは筋力が弱くなる以上に、バランス感覚が悪くなるためです。筋力は50%くらいの低下ですが、バランス力は70%も落ちてきます。

 改善は

まずマット、カーペットなどの敷物類を見直しましょう。「敷かない」ことを前提にします。

床の段差や敷居は、高齢者の行動範囲はミニスロープをつけるか、張り替えましょう。


△扉の開け閉めで体が不安定になりませんか(住み続けられる)

課題は
体が不安定になったり、ぶつかりそうになりませんか?開き戸は扉が回転する分、開け閉めの時に身体が移動し、どうしても体が不安定になってしまいます。そして扉の下枠につまづくことがあります。

改善は

引き戸であれば、体の移動が少なく、柱などを支えにしながら、戸の開け閉めが出来ます。下枠の無い扉もあります。

開き戸であれば取手の側に縦手摺を付けることも有効です。